14回目のご相談内容

 同じマンションに住む奥さん(A子さん)のことで相談させてください。30代後半~40代前半で、会えば挨拶する位の関係です。ある時、日本からのお客様を見送って夜中の1時過ぎに帰宅したのですが、駐車場の入口から裸足で手に靴を持ったタイ人の男性が飛び出してきました。シャツも胸がはだけていて、いかにも今あわててマンションから逃げ出して来た、という感じでした。その男性を私は知っていました。マンションの奥さんたちと通っている、ある習い事の先生でした。25歳だときいたことがあります。その夜から何度か、彼を見かけましたが、いつもA子さんと一緒でした。彼は私を覚えていたのか、気まずそうに顔をそむけます。ピンときましたが、私は誰にも言いませんでした。けれど、私の主人とA子さんのご主人とが親しくなり、私もたびたび顔を合わせるようになると、知らん顔をしているのが苦痛になりました。A子さんのご主人はとてもいい方で、お子さんをとても可愛がっています。このまま黙っていてもいいものでしょうか。いっときの愛を見ているだけ、としても許されるものでしょうか。この頃、こういった話をよく聞くだけに、黙っている事に罪悪感さえ覚えます。

以下、まりこさんからの回答

 日本の女性も本当に変わりました。男性以上に恐ろしい女性が外国にまで来てしまっているようです。ご主人の仕事で来タイしているのにもかかわらず、ご主人をさておき25歳のタイ人男性と浮気とは恐れ入ったものです。良妻賢母の方からみれば許されないのは当然で、黙っていることに罪悪感を持つのももっともです。でも、云ってあげたから、注意をしたからとして、聞く耳を持つでしょうか。反発し反感を持たれ、「これは私のことだから放っといて!」と憎まれ者になりかねません。何事でも夢中になっている時には、他人の言葉は耳に入りません。忠告を聞く人は最初から考えています。男性の甲斐性が薄くなったせいか、最近は女性の浮気が人目をはばからず大っぴらになっているようです。浮気も離婚も簡単に行われるようになってしまい、世の変わりかと思うと悲しくなりますが、真面目に地味にしっかりと家庭を守っている方々は静かに暮らしています。子供がいなくても仲が良くて真面目な夫婦もいます。 でも、子供がいるのに母親が他の男性と不倫して愛の遊びごっこや結婚ごっこはいけません。可愛い子供を受難の時代にさせてはなりません。主婦が働き始め、インターネットの普及や習い事の氾濫で男女の出会いが多くなり、安っぽい雑誌やテレビの見すぎで自分がヒロインになったつもりになって自分自身を見失ってしまっています。よく『自分探し』といいますが、それこそ自分勝手な人間の言い訳なのです。あなた自身がそこに存在しているじゃありませんか。しっかり信念を持った妻は、どんな誘惑があっても自分を守り、後先を考えて正しい判断をします。浮気や不倫はハッピーエンドにはなりません。必ず苦しむことになります。夫の浮気以上に妻の浮気は人の道に外れた事で、昔から「尻軽女」と軽蔑されています。でも、世の中に男女がいる限り、まず身近なところをきっかけにして浮気や不倫が始まります。夫への不満、無言・会話のない日々、自分を支えてくれる人が欲しくなり、話し合ってくれる人が恋しくなり、「魔がさす」のです。それは起こるべくして起こり、絶対になくならない事です。浮気や不倫は魔がさしたとはいえ、起こってしまったら当事者だけでなく、家族や周囲の人の心に刻み込まれてしまいます。 A子さんのご主人はとても良い方のようですが、長く夫婦生活を続けていると他人には解らない部分が多くあります。離婚の話を聞くと、「あんなに良いご夫婦が…」と他人は驚きますが、人には言えない問題がたくさんあって離婚となってしまうのでしょう。
 南国のタイは男女の習慣も考え方も日本とは違います。タイ人は相当にいい加減なところもありますが、恋愛への情熱や嫉妬深さは日本人以上かもしれません。不倫相手を殺害する事もよくあります。あなたが黙っていることの罪悪感もよく解りますが、A子さんの不倫はこのコラムのサブタイトルにもありますように『もう戻れない愛の世界』に浸かっているのです。成就することの無い愛は他人の干渉を寄せ付けません。A子さんのご主人が気づいていないものを無理に明るみに出そうとすれば、予期しないことが起こりかねません。気づいているとすれば、いつか身を慎んでくれるかと待っているのかもしれません。何と言っても「子は鎹(かすがい)」なのですから。ここは落ち着いて大事に至らぬよう、時が解決するのを待つのがよろしいのではないでしょうか。 (まりこ)