回目のご相談内容

 まりこさん、初めまして。私は三十代前半の男性です。バンコクに移り住んで2年半経ちます。私の悩みというのは、最近、父が執拗に「結婚しろ」と催促してくることです。元々、私はこの父から離れる為にバンコクに来たのですが、昨年の夏に父が病気で入院する事になり、一時帰国しました。私の顔を見るなり、「結婚はまだか?相手がいないのなら俺が探してやるから、日本に帰って来い」と言い、パスポートを取り上げられそうになりました。
 私がバンコクに住む理由は、バンコクで条件の良い仕事に就けている事と、一緒に住んでいる大切な人がいる、ということです。大切な人とは、日本人の男性で大学時代からのつきあいです。私は彼の事を本当に信頼できる唯一無二の人だと思っています。以前、女性とおつきあいをしたこともありますが、どうしても肉体関係を持てず、別れてしまいました。そして、このことは「私は同性愛者なんだ」と気付いたきっかけでした。勿論、私がゲイであることは家族に伝えていません。父に話せば精神病扱いされて、きっと、力ずくで日本に連れ戻されてしまいます。大切な彼と離れて、日本で女性と一緒に暮らすのは絶対に無理です。家族に「同性愛者である」ということをどのように伝えればいいでしょうか?

以下、まりこさんからの回答

 女性とお付き合いをして、自分自身に異性愛が芽生えず、その結果、自分が同性愛者なのだと気が付いた貴方。家族に伝えられない秘密を持ち、独りで悩んでいるようですが、貴方はタイの顔と日本の顔の二つを持っていますね。
 日本の一般社会では、オカマさんやゲイに対して風当たりが強く、特に田舎では「恥ずかしくて近所に顔向けができない」となって、一家の恥となってしまいますね。今、貴方が暮らしているタイではご存じのように、女性化した男性が社会に溶け込み、どこにでも目にします。ゲイの場合は恰好も服装も普通の男性と変わらないので、あまり目立ちませんが、シーロム辺りで欧米人と手をつないで歩いているのを見ても特に奇異には感じません。その同性愛ということに対して悩みながらも、相手を『大切な人』と言いきってしまう貴方だから、二つの顔があると云うのです。日本には昔から恥となることを疎む文化があり、男は男らしく、女は女らしくというのが何よりも求められてきました。タイではそういった難しいことは考えず、一般家庭でも中学生の男の子がオカマに目覚めて、口紅を塗り始めても、父親が頭を抱えて困っているということは無いようです。貴方がタイに住んでいるという本当の理由はそこじゃないんですか。タイでは成長した子供からの仕送りだけをあてにして、毎日遊び暮らしている親がたくさんいます。日本の親は手塩にかけて育てた子供が成長して良い家庭を持ち、幸せな人生を送ってくれることを何よりも望みます。貴方のお父さんも、貴方が幸せな家庭を持ってほしいと心の底から思っているから、結婚を迫るのです。子供が30才を過ぎたとしても、親にとって子供はいつまでも子供なのですよ。しばしば子供は親の思惑に逆らって、違う道に行ってしまう事もよくありますが、それでも親心というものはいつまでも変わりません。お父さんから離れるためにタイに来たそうですが、そんなワガママを言っていられるから、貴方はまだまだ子供なのですね。大人に成長していれば、父親に真っ直ぐ向き合い、逃げる事はしませんから。まだ大人になっていない貴方は、もっとたくさんの女性と知り合ってみて下さい。今の『彼』が大切な人だと言っていますが、本当にそうだとして、これからの人生を彼と一緒に過ごしていく決心と勇気がありますか?彼も貴方のことを同じように大切な人だと思っている確証がありますか。ただ一緒に居るということと、人生を共に送っていくというのは、全く別なんですよ。自分の事も大切でしょうが、自分の親や家族、周りのことにも気を配ることも大人の務めなのです。
 貴方が本当に人生を彼に賭けて生きて行きたいのなら、今の自分たちの姿をお父さんに打ち明けて、お願いするしかないでしょう。貴方もお父さんを大切に思っているからこそ、悩み苦しんでいるのですから、ここは絶縁されることを覚悟で打ち明けるのです。、タイとは環境の違う日本へ戻って、もう一度自分を見つめ直すのが一番良いとは思うのですが…。ハシカもきっと治りますので。 (まりこ)