回目のご相談内容

 まりこさん、初めまして。私はバンコクに住む40代の男性です。ご相談したいのは、同居している私の実の母とタイ人妻との嫁姑問題です。父が4年前に他界し、母は一人で日本で暮らしておりましたが、持病が悪化したことから、気候の温暖なタイに呼び寄せ、昨年より一緒に暮らしております。昔気質で頑固な母は、料理、子育て、掃除など、日本のやり方、風習を押しつけては、要領よく出来ない妻に苛立ち、小言を言う毎日です。もともと、この結婚に反対していた母は、妻を受け入れようとはせず、何かにつけて辛く当たります。妻は明るく人懐っこい性格ですが、母と同居するようになってから、あまり笑わなくなりました。タイに住むならタイ人気質も理解して、なんとか妻と仲良くやっていってもらいたいと話しても、頑固な母は一向に聞く耳を持ちません。妻なりに一生懸命努力していましたが、先日、とうとう今までの不満が爆発して、家を出ていってしまいました。母と同居するなら、もう一緒には暮らせないと言っています。母は日本の私の兄弟の家族とも折り合いが悪く、彼らとの同居は絶対に嫌だと言っています。日本の家も売り払い、母には最早日本に帰る場所もありません。年老いた母を見捨てる訳にもいかず、妻子とも別れたくありません。まりこさん、私は一体どうしたらいいのでしょうか。

以下、まりこさんからの回答

 親の面倒を誰がみるのか、これは今の日本でも切実な問題ですが、嫁と姑の固執もいよいよ国際的になりましたね。言葉の違いと習慣の違い。若い人ならすぐに慣れる外国での生活が、日本でずっと生きて年を重ねてから海外に出てきた方ですと、日本での生活が身に染みついていてなかなか思うようにならず、腹立たしくなる事もあるかと思います。嫁と姑は所詮は他人同士なのです。血のつながりのない、やりにくい女同士なのです。姑は自分の息子として、嫁は自分の夫として、一人の男性を二人の女が取り合うのですから、いつも心の奥深くには女の戦いが潜んでいます。夫婦仲がうまくいっていても、姑は『これは私が育ててきた息子なのよ』、嫁の方は『私は夫を支え、自分たちの子供も一生懸命育てているのに』という意識が必ずあります。夫(姑の息子)は二人の板挟みになってオロオロします。これは昔からどこでもある事で、今更ではありませんが、嫁と姑の相性に大きく左右されることでもあって、折れ合って、気を合わせて仲良く暮らせる場合は、夫も幸せです。出来の悪い夫(息子)を嫁と姑が協力して支えている家庭もありますから、やっぱり相性なのでしょう。日本人の感覚では、どちらかが妥協してじっと我慢して表面には出さないというところがありますが、外国で暮らし、嫁もその国の人という場合はどうでしょう。これは難しい問題です。
 ニュアンスに富んだ日本語の会話だけでも難しいのに、お母さんが怒っている理由や意味をタイのお嫁さんはなかなか理解できないと思います。貴方が、「タイに住むならタイ人気質も理解してもらいたい」と話したとのことですが、全くその通りです。南国タイの女性は明るく、人懐こくていつもニコニコ、解らないことは『マイペンライ!』と真剣には考えず、面倒な事は避けます。日本人は几帳面で潔癖で家督を重んじ、完全主義のように育ってきましたから摩擦が生じるのも無理はありません。
 でも、ここはタイの国です。全てがタイのやり方で成り立っています。どんなに『日本ではこうだった!』と叫んでも一切通用しないのです。家族全員が日本人の家庭ならまだしも、この国の人が家族を構成する一員としている限りは、タイ式を軽視してはなりません。タイ人である嫁を重んじるのも、日本人ならではの優しさというものでしょう。
 母親を心配する貴方も優しい日本人です。日本の家族とも折り合いが悪いのは、我が強すぎるところにあるのでしょうが、母親も嫁も大切にしなければならない貴方の判断として、母親と別居してみたらどうですか。もちろんすぐに手が届く近い所に住んでもらって、貴方が管理するのです。日本の
ご婦人が集まる場も紹介しましょう。いつも近くにいるから嫁と姑の衝突が起こるからで、生活を別々にして一定の距離をおけば、いつか心は和らぐものです。費用はかかりますが、貴方にとってはどちらも大切な家族であり肉親なのです。どちらも捨てるわけにはいきません。なので、二人に苦しみを与えない方法としてはそれしかないと思います。 (まりこ)