56回目のご相談内容

 私は日系企業のタイ支社で働く30代の男性です。数か月前に日本の取引先数社の社長さん達が工場視察を兼ねた慰安旅行でタイへ来たのですが、その内の一人に取引先の社長の長男(専務36歳)が代理で参加していました。その彼についての相談です。初日の夜に私がアテンドして皆さんをタニヤへ案内したのですが、彼はあるカラオケ店の女性に完全にハマってしまったのです。その夜を彼女と過ごし、生まれて初めて女性の良さを知ったのでしょうか(申し訳ないが彼は日本であまりモテるタイプではないのです)、翌日も翌々日も他の女性には目もくれず連日彼女を指名します。四日目の夜などは、彼女が店に居ないと知るや食事もせずにホテルへ直帰。心配した私が「食事だけでも行きましょうよ。他にもいい子が見つかるかもしれませんし」と言っても、「いや、○○ちゃんじゃないとダメなんだ・・」と言います。私も「彼女は夜の女性ですよ。深入りしちゃダメですよ。」と言っても、「彼女も僕の事を好きだと言ってくれたし。こんな気持ちになったのは生まれて初めてなんだよ。」と言います。帰国後も父親である社長に、退職してタイに住むとか言って大揉めに揉めたそうです。その彼が近々またタイに来るので私についてきてくれと言うのですが、彼の目を覚まさせる何かいい方法はないですか?このままでは彼は本当に退職してタイへ来てしまいそうです。

以下、まりこさんからの回答

 女性を追いかける恋。そこにはしばしば、追うと逃げる心理が見いだされます。いつの世も、モテる男は女性を追いません。反対に女性から逃げる術を心得ていたりします。モテない男性の失敗で一番多いのが、女性をしつこく追いかけすぎて嫌われたり、怒らせてしまうことです。女性の側には、追われると遠ざかりたくなる心理が働くので、追いかけて疲れさせると恋愛は成就しません。
 男性は純真なところが多々あり、昔からいいますように『思い込んだら命がけ』とは大袈裟かもしれませんが、ひとりの女性を本気で好きになってしまうと、寝てもさめても真剣にその女性の事ばかり考えて仕事も手につかないし、周りが心配しても云う事をきかない。という男性もよくいるようです。
 怖いのは、賭け事や薬、女性に溺れますと、お金だけでなく自分自身の価値も無くしてしまい、他人の忠告も全く聞かなくなってしまうことです。誘惑の魔力によって聞く耳を持てなくなり、一人の人間が狂わされていきます。理性を保っていれば、自分で何とかコントロールできるでしょうが、狂ってしまうと他人には解らない何か別のものになってしまうのです。自分だけの世界に閉じこもってしまうのと同じですから、心配している周りの人は見えません。狂い病なので本人の目が覚めるまで待つしかないのでしょう。
 「彼女は夜の女性だから深入りはダメですよ」なんて云うから、余計にますます深入りするんですよ。貴方が知ったかぶりして「その女性は夜のオンナ」と言ったところで、彼には夜昼は関係なく、自分を好きになってくれているただ一人の女性と思い込んでいるのですから。彼はその女性との将来を考えているわけではなく、一緒にいてくれた三日間にすがりついているのです。四日目に彼女が店にいなかったというのは、彼が自分に合わない性格で我慢していたか、計算づくか、もっと実入りの良いお客さんが付いているか、そんなところです。貴方もそんなに心配なら自分が連れて行った店なのですから、彼女から今の生活状況や事情、彼への気持ちを聞いてみればいくらかの情報は得られるでしょう。それも取引先を接待した側の仕事と思ってみませんか。日本側は現地の事がよく解らないので頼ってくるのは当たり前です。公私混同であっても、アテンドした以上、他人事の恋愛沙汰と知らん顔を決め込まずに、形だけでも一度、彼女と接触して情報を伝えてみたらどうですか。後は彼の目が覚めるまで放っておけばいいのです。騙されたら騙されたで、本人の力次第。女性経験の乏しい男性は、人に頼って甘ったれながら人生を少しずつ知っていくものなのです。 (まりこ)