チップをちょうだい!

 皆さま、今年のソンクラーンはどこで過ごされましたか?この時期、タイはとても暑いので、私はソンクラーン中はいつもどこか国外へ出かけることにしています。今年は知人のご夫妻と一緒に、ベトナムのホーチミンへ2泊3日の小旅行に行って来ました。私は何度も仕事で行っている街なので、特別に観光はしませんが、知人ご夫妻はけっこう喜んで下さって、私としてはひと安心でした。
 けれど一度だけ、ちょっとしたトラブルがありました。仕事もあって私だけ別行動をしていた時間に、ご主人がホテルのボーイさんにマッサージのお店を紹介してもらって出かけたのですが、すぐに帰って来てしまいました。1時間30分のマッサージを申し込んだそうですが、始めからずっと「チップ!チップ!」と、そればかりでロクにマッサージをしなかったとか。ご主人は「もういいから」と時間の半分も経たないうちに店を出て帰って来てしまいました。これはよく聞く話です。私は、「マッサージはタイに戻ってからにしましょう」と言っていたのですが、せっかく楽しい旅行もこんな些細なことで気分を害されて、とても残念です。
 以前、友人がベトナムのとある店でチップとして500Dを渡したところ「こんな少しの金額でお礼なんか言いたくない!」と、お金を投げ返されたことがあったそうです。私たち日本人にとってチップというのは、あまり馴染のない行為なので『あげるかあげないか』又は、『いくら位あげるか』と、いつも迷うところです。それに加えて、その国の通貨に慣れていないと更にややこしくなります。例えばベトナムの通貨は『ドン』ですが、21000D=1$=120円=33バーツ、というレート換算が頭に入っていないと、10000Dのチップの『万』という額面からとても多く感じてしまい、沢山あげたつもりが実際は16バーツにしかならない、ということになるわけです。500Dのチップを貰っても、それはもう嬉しくも何ともないというのは判りますよね。だって、0.8バーツですもん。だからといって、チップチップと要求したり、チップの額にまで文句をつけるのはどうなの?と日本人が感じてしまうのも事実です。むずかしいですね。
 それでも知人ご夫妻は「ベトナム料理は美味しかった!」と、喜んでくれました。初めての国へ旅行するというのは、心おどるイベントです。その国が好きになるか嫌いになるかは、ほんの些細なことが決めるかもしれません。けれど結局のところ、決め手となるのは『人』じゃないでしょうか。私が知っているタイ人で、日本へ旅行した人たちから「タクシーにボラれた」とか」お釣りをごまかされた」とか「いやな態度をされた」というのはひとりもいません。「さすが日本はすごい!」、「きれいな国だった」と言われると、やはり嬉しい。
 世界はひとつ、なんて言うけれど、これだけの文化の違いがある国々が本当の意味で仲良くひとつになれる日がはたして来るのだろうか…?ベトナムに行くたびに私は思うのです。

(はっとり)

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