第 12 回

 私はほとんど毎日、ShowRoomか、隣のHATTORIに居ます。留守をするのはべトナムに行く時くらいです。ですから1日のうちには、いろいろな人とお話をします。お客様はもちろんですが、お客様ではない人たち、これがとても興味深い人たちなのです。
 何度も来る手相見のインド人のおじさん。「あなたは3度結婚する運命だ。」と言われてからお断りしています。この年でまだ1度しか結婚していないのに、残りの人生でまだ2度もなんて、冗談じゃない!「あなたは外国で暮らす運命だ。」って、私は今、タイで暮らしているでしょ、日本人なのに…。それからニセの消火器売り。たしかに店は消火器の設置が義務付けられているので、うちにもあります。その中身の薬を年に1回入れ替えるとの事で、何人もの人がやってきます。そのうち1人は本物で、あとはニセモノだそうです。従業員いわく、「今のはニセモノ、うそを言っている。300Bの薬を720Bだと言っていた。だから私もうそで応じてやった。」なる程ね。日々戦いだ!がんばれ…とほめてあげました。ある時など、あきらかに警察の制服を着た男性を従えて、入ってきた人もいました。ただ座っているだけでも店中のお客様は緊張してしまいます。それもただ広告を取りに来た(押し売りに来た?)だけなのに…。又ある時は、下水の掃除だと言って、大きなバキュームカーを乗り付けて来た人もいます。従業員いわく、「バキュームカーの会社が休みの時、こっそり持ち出して来たに違いない。あれはにせものだ。」確かに、あとから友人から聞いたのですが、3軒並びのお店がみんなで各2000B払って掃除したはずが、トイレに水を流しただけで帰ってしまったそうです。やるなぁ…。それだけの知恵と手間をかけて元が取れるんだろうか…。

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 日本でもいろいろな詐欺事件が新聞を賑わせていますが、やる方もやられる方も日々勉強ですね。進歩していますから。
 ある時は、歩くのもやっとというおばあさんが来ました。「田舎に帰るお金がない。」と言うので、そこは老人に優しいタイ人のこと。従業員みんなでチューアイしていましたが、しばらくして又同じおばあさんがやって来ました。隣のShow RoomからHATTORIの店に来て、同じ事を言います。Show RoomのAが飛び出して来て叫びました。「あのおばあさん、ビラスーパーの前をスタスタ歩いていたよ!お金をあげちゃダメ!」その時には、もうそのおばあさんは遥か彼方へ走り去っていました。みんなボウゼン…。でもなんか怒るより笑ってしまいます。毎日何かしら事件があり、笑ったり怒ったり泣いたりと忙しいです。そうやって少しづつ年を重ねていけたらいいなと、この頃ふと思います。
 タイだから出来る、こんな生活も悪くないです。