第 27 回

 部屋を片付けようとすると、今でも思い出す事があります。20年位前です。トンローでバナナを揚げたおやつを買ってふと見ると、そのバナナを入れた紙袋に「3年○組○○○○子」と名前が書かれてあります。なんと、小学校の算数のテストの答案用紙でした!!ちゃんと採点されていて、『64点』と、点数まで書いてあります。「おー!!」と驚きの声をあげて友達に見せると、「だからアヤさんに捨てといてって頼んじゃダメなのよ。紙は売れるから、なんでも取っておいて、まとめてキロいくらって買ってもらうんだよ。うちの出来の悪い子のテスト用紙が、どこかに出回ってると思うとぞっとするから、見られてまずいものは全部破いてから捨てる。これ常識よ!!」
 笑えない話ですが、この手の話はよくありました。私も、従業員のポロシャツを新しくした時、古い物を捨ててしまいましたが、数日後に、リヤカーを引いてゴミ収集をしている人が、どうもそれらしいポロシャツを着ているのです。近くでよく見ると、きれいに漂白してあるので、胸の『Hattori』の文字が緑から茶色に変色していますが、まさしくうちの制服です。〝しまった!!〟と思いました。
 それ以降、物を捨てる時は、よぉーく考えて、切り刻むもの、きれいに畳んでビニール袋に入れておくもの、と分けるようにしました。使ってもらえそうなものは、生ゴミとは別の袋に入れて一纏めにしておく。今思えば、これも立派なECOですよね。何でも簡単に捨ててしまう日本から来た当時は、反省したものでした。今のタイでは、リサイクルショップに引き取ってもらう方法があり、物をやたらと捨ててしまわない人が増えてきました。それでも、例えば海苔の缶とか、クッキーの箱とか、梅干しの壺などは、つい捨ててしまいがちですが、私は取りあえず従業員に聞きます。「これ、捨てていい?」ほとんどの場合、「だめ!」と言われます。珍しい日本の缶とか、箱は色々使えるし、田舎に持って帰ると喜ばれるのだそうです。
 そういえば、私の子供のころ、家には泉屋のクッキーの缶があって、母が裁縫道具を入れていたり、ヨックモックの缶には、レシートを集めていたり、結構利用していたなァと思いました。あの頃、母はきっときれいな缶や箱は捨てないで取っておいたのでしょう。なつかしい…。
そんなことを思いながら、〝今日は部屋を片付けよう!〟と決心して、又々挫折してしまうのです。〝まぁ、いいか。いざとなったら従業員をみんな呼んで、好きな物を持ってってもらおう〟などと、結局は楽な道を選んでしまう私でした。  (はっとり)

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