第 31 回

 今年2度目の「サワディーピーマイ(明けましておめでとう)」です。タイのお正月はいかがお過ごしでしたでしょうか?帰国された方、旅行された方、それぞれに楽しまれた事と思います。
 さて、この20年、タイのお正月も少し変ったなと思う事があります。以前はとにかく「帰省」。みんな田舎へ、田舎へと大移動。バンコクの人口は少なくなったものです。そしてソンクラーンの間は、どこに行っても〝切り捨てゴメン〟ならぬ、〝水かけゴメン〟の状態。たとえ食事をしていようが、スーツにネクタイのビジネスマンであろうが、目が合ったらザブン!チョロチョロ位ならかわいいものですが、力いっぱいバケツの水をぶっかけるのですから、たまったものではありません。よく白人のビジネスマンが怒っていました。昔、焼肉の店をソンクラーンにも休まなかったことがあります。店の前で炭をおこしている従業員に、通りすがりのシーローから、白い粉を溶かした水をザブンとかけられ、うちの従業員は全身白のまだら状態。仕事になりませんでした。炭は使いものにならないし、でも、「怒っちゃダメ」なのだそうです。ソンクラーンの3日間休みにしたら、終わっても帰って来ない従業員が必ずいたものです。考えてみれば、イサーンなど、行くのに一日、帰るのに一日かかるのですから、無理もないのですが。ソンクラーン明けには、どれだけの従業員が出てくるか、オーナーさんたちはドキドキしたものです。友人の店は、友人(オーナー)とお掃除のおばさんの二人しか出て来なくて、結局店は開けられなかったそうです。でも今は、ソンクラーンも休まない所がかなりあります。「今年はお金を貯金するから、田舎には帰らない」とか「恋人と一緒にいたいから帰らない」などと、ちょくちょく聞くようになりました。1年間のすべてをかけて故郷に錦を飾るなんて、昔のことなのでしょうか。昔はリキが入ってたもんなぁ。カウボーイハットにブーツを履いて、首にバンダナをまいて「これから帰る」なんて子がいました。ただただ「暑いだろうなぁ、ごくろうさん」と心の中で思ったものでした。村に帰ればこの子はヒーロー!
 何があろうと、最後の心の拠りどころだったはずのふるさとが、だんだんと遠くに行ってしまうのでしょうか。うちの店は、帰省の為に5日から6日間は休みにします。「ふるさとは遠きにありて思うもの…」。たしかにね…。でも、だから帰った時くらいは思い切り楽しんで欲しいと思います。ムチャな水かけもないとさびしい気がします。そして、「またバンコクに帰ったら頑張るぞ!」、と元気を充電して来て欲しい。「今年は帰らない」なんて言わないでよ。親は待ってるよ。でも、だんだんとそうなっていく事も理解できます。時間もお金も、それこそすごくかかるのだから。「ソンクラーンに休めないなら退職します。」と言った子がいたっけ(20年前)。「ソンクラーンのためにO・Tで稼ぎたい、仕事します。」という子がいます(今)。時代は確実に変わっています。昔、〝木綿のハンカチーフ〟という歌が流行ったのを皆さんご存知ありませんか?(古い!)あーあ、あの歌詞よかったなぁ…。なんだかこの時期になると、あの歌を思い出してしまいます。すぐにピンときた御同輩、今度一緒に盛り上がりませんか?あの頃の歌って、妙に心に残るものが多いと思いませんか?さてさて、ソンクラーンも無事に終わり、また一年の始まりです。今年もどうぞよろしく!!服部でした。  (はっとり)

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