ハットリ、現役復帰??

 大変なことになりました。従業員Jの叔父さんが亡くなって、お葬式に帰郷したいと言ってきたのが事の始まりでした。次に、従業員Nが、亡くなった夫の法事で田舎へ帰りたいと…。この手の話は「ダメ!」という種類のものではなく、仮にダメ!と言ったところで帰ってしまうのです。うちのお店は長く働いている子が多いので、自分たちで話し合いをし、お店が困らないようにやりくりをさせています。一人が帰ってしまうと、他の子たちに迷惑がかかるのは解っているので、良識に任せる、というのが基本なのですが…。
 そして今度は従業員Pのお父さんが危篤で「すぐに帰れ」と電話があり、急遽帰郷して2日目に亡くなったと本人から連絡が来ました。すごい田舎で1日がかりで帰るので、一度行ったら全ての法事が終わるまで戻って来ません。すぐにタンブンの封筒が回されました。お金を封筒に入れて、まとまったら銀行から送金するのです。今や、お香典もカードで引き出す時代なのか…と、ちょっとフクザツ…。
 それにしても、何回これを繰り返したかなァ。Pの両親は10人子供がいます。Pはその10番目で末っ子。そしてお父さんは8人兄弟の6番目。これじゃ親戚全部の名前や年齢をを知らなくても当たり前だよな…と思います。しかし、お葬式にはきちんと(?)帰郷します。時として亡くなった人の名前や年齢を聞いても、はっきりと答えられないことがあって、ちょっと信じられないと思ったものですが、今では納得です。「二番目の姉ちゃん」とか「四番目の兄ちゃん」といつも呼んでいたら、なかなか名前まで出てきませんよね。
 そんなこんなで、私もお店のカバーに入って疲れ果てていたところ、キッチンのSに「お母さんが危篤です」の電話。イサーンの山奥ですから、ちょっと行って来るというわけにはいきません。Sも9人兄弟の9番目。「たぶん、すぐには戻れません」…。もうダメだろうから、お葬式からその後の諸々が終わるまで、彼は帰って来られないでしょう。バンコクに出稼ぎに来ている彼の兄弟たちもいっせいに帰郷です。末っ子の彼は、とりわけ母親に可愛がられていたから元気がありません。9人産んだら最後の子は特に可愛いでしょう。彼はキッチンのトップですから、長く休まれると本当は困る…のですが、こればかりはねぇ…。
 と、ちょうどこれを書いている時に、田舎へ帰ったSから電話が来ました。お母さんがICUに入ったとの事。泣きながらの電話でした。お母さんの年齢がいくつなのか、Sも詳しくは知らないらしいのですが、9人子供を産んで末っ子が30才を過ぎているのですから、それなりのお年でしょう。覚悟はできていると言いながらも泣きじゃくるSに、「タイの男の子だなァ…」 なんて変に感心したりして…。これが日本だったら、少なくとも他人の前ではこれほど取り乱したりはしないでしょう。優しいといえば優しい、幼いといえば幼い。でも私は好きです。こういう素直さ。
 というわけで、只今のHATTORIは人手不足です。お客様に「今日はやけに働いているねえ!」と言われました。現役復帰です、私!まだまだいける。とは言っても、動きがいまいちニブいのは隠せません。ごめんなさい、認めます。年のせいです…。
(はっとり)

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