名前の由来は「ファンタ」

 タハーン(兵役)で2年間の御奉公に行ってしまった従業員のTが長いお休みをもらったとかで、バンコクにやって来ました。御奉公先も彼の田舎も同じイサーンなのに、なぜか遠いバンコクに来て、店に顔を出してくれたのです。(実は年上の彼女がバンコクにいるので、田舎よりもこちらの方が優先されたわけです)
 いや~、まっ黒になっちゃって、筋肉もりもり!まだ3ヶ月位しか経っていないのに、たくましくなって。ヤワな男子を軍隊で鍛えれば、きっとこんなにたくましくなるんだなあ…と感心してしまいました。 10日間の休暇がもらえたので、そのうちの8日間を店で働かせてほしいと言うので、「いいよ、いいよ。2年経って戻って来た時に仕事を忘れていないように、お休みの時にはいつでも働きに来なさい」。Tはなかなか男っぽいところがあって、私のお気に入りの専属運転手(バイクの!)でした。モーターサイは怖いけど、彼のバイクなら安心して出かけられるのです。Tは『タァー』 という名前です。もちろんチューレン(あだ名)で、本名は『フェンタァー』です。彼の母親が初めてファンタを飲んで(コーラ、ファンタのファンタです)、この世にこんなにおいしいものがあったのか!と感激して子供の名前にしたそうです。タイ語でファンタは『フェンタァー』と発音する(語尾を尻上がりで)ので、その『タァー』です。そんないい加減な…と思うでしょうが、この手の話はよく聞きます。
 お父さんがお母さんより背が低かったので、娘にはあまり大きくならないようにと願いをこめて『レック』と付けたけど、立派なおデブに成長したとか、『ヌゥー(ねずみ』とか『ムゥー(ぶた)』とか日本語にするとけっこう面白い名前があります。以前、日本で『悪魔』と名付けて役所に却下された父親がいましたっけ…。あれはひどい。今は、ふり仮名がなければ読めない名前が多いこと!それに比べると、タイ人の『ノイ』(や『ポー』、『レック』なんてとても解りやすいです。タイ語が解ってくると、10人も子供が生まれてもう充分だから『ポー』なんだな、と気が付いて面白いです。
 たくさんの従業員を見てきましたが、その名前で色々な事を想像します。昔、日本でも同じように、男の子が4人続いて次は女の子が欲しいので、4人目の子に『末男』と名付けたとか。やはり、うちの従業員の『ポー』は6男4女の10番目なのです。
 そんなことや、私は一体何人の子供がいるのかしら…?と考えながら、フェンタァーの『タァー』が、明日また兵役に戻るというので、バイト代とお小遣いをポチ袋に入れたのでした。

(はっとり)

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