「思いこみ」いろいろ

 突然ですが、人というものは「思い込み」で生きているところがあります。これは日本人もタイ人も関係なく、誰にでもひとつやふたつ「恥ずかしながら実はこうだった…」という経験があるものです。私が知る「思い込みベスト3」をご紹介します。
 【その1】 ある友人の弟の話で、彼はマンガの「巨人の星」が大好きでした。ある世代ではマンガといえば星飛雄馬というくらいに大人気でした。当時の子供たちはテレビの前にかじりついて夢中で主題歌を歌ったものです。「思い込んだーら、試練の道を」という歌詞をご存知の方もおられるでしょう。貧乏だった飛雄馬は工事現場の道具を使ってトレーニングをするのですが、彼がコンクリートのローラーを引いている場面のときに前述の歌詞が流れるのです。そのため、友人の弟は、あのコンクリートのローラーの名前を「コンダラ」だとずっと長い間思い込んでいたそうです。なのであの部分の歌詞を「重いコンダーラ、試練の道を」だと彼は思っていたのでした!
 【その2】 友人が銀座のとある映画館の前の喫茶店でお茶を飲んでいた時。目の前の赤電話でひとりのヤ○ザ風の男性が大声で興奮しながら話をしていたそうです。(まだ、携帯電話が普及する前の出来事)「姐さん!!姐さんが薦めてくれた『ヨマタ』今、観てきました!いいっすねェ!ヨマタ!!」友人は何のことかわからずにその喫茶店を出て、目の前の映画館の看板を見上げると、そこには高倉健さんの「夜叉(やしゃ)」の文字が…
 【その3】 タイ人の男の子で、彼はコックをしています。彼はキッチンをチッキンと覚えてしまっています。私が「あ、そうキッチンね」と、何回もそれとなく言い返して訂正してあげても駄目なのです。ずっと間違えたままなのです。ある日、業者が肉類を配達に来ました。彼は「チキンはチッキンに置いておくように」と指示したのですが、みんな「??」です。「鳥肉は台所へ」と、それだけの事なのに。鳥肉をガイとタイ語で言わずにチキンなどと英語を使い、気取って言うから「チキンはチキン??」と、みんなポカンとしていました。タイ人も思い込みが激しい人種なのでしょうか…?
 人生において、はやいうちに誰かに訂正してもらえれば、それほど恥をかかずに済むことなのですが、周りが遠慮して訂正されずに歳をとってしまうと結構、恥ずかしながら…があるものです。さぁ、みなさん(ある程度お歳を召した方々)若い人からのさりげな~い訂正のサインを見逃さないように…!!
 ○○さん、「オジリナル」ではなく、「オリジナル」ですョ。「これはハットリさんのオジリナルですか?」と訊かれて思わず吹き出してしまった私を許してください。なかなか気の利いた冗談だと思ってしまいました。でも、80年も信じ込んでいた言葉はなかなかに重みのあるものではありましたよ。

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(はっとり)