歴代 TOP紙面

No.165|2017年11月01日号

No.164|2017年10月15日号

No.163|2017年10月01日号

No.162|2017年09月15日号

No.160|2017年08月15日号

No.159|2017年08月01日号

No.158|2017年07月15日号

No.157|2017年07月01日号

No.156|2017年06月15日号

No.155|2017年06月01日号

No.154|2017年05月15日号

No.153|2017年05月01日号

No.152|2017年04月15日号

No.151|2017年04月01日号

No.150|2017年03月15日号

No.149|2017年03月01日号

No.148|2017年02月15日号

No.147|2017年02月01日号

No.146|2017年01月15日号

No.145|2017年01月01日号

No.144|2016年12月15日号

No.143|2016年12月01日号

No.142|2016年11月15日号

No.141|2016年11月01日号

No.140|2016年10月15日号

No.139|2016年10月01日号

No.138|2016年09月15日号

No.137|2016年09月01日号

No.136|2016年08月15日号

No.135|2016年08月01日号

No.134|2016年07月15日号

No.105|2015年05月01日号

No.104|2015年04月15日号

No.103|2015年04月01日号

No.102|2015年03月15日号

No.101|2015年03月01日号

No.100|2015年02月15日号

No.099|2015年02月01日号

No.098|2015年01月15日号

No.097|2015年01月01日号

No.096|2014年12月15日号

No.095|2014年12月01日号

No.094|2014年11月15日号

No.093|2014年11月01日号

No.092|2014年10月15日号

No.091|2014年10月01日号

No.090|2014年09月15日号

No.089|2014年09月01日号

No.088|2014年08月15日号

No.087|2014年08月01日号

No.086|2014年07月15日号

No.085|2014年07月01日号

No.084|2014年06月15日号

No.083|2014年06月01日号

No.082|2014年05月15日号

No.081|2014年05月01日号

No.080|2014年04月15日号

No.079|2014年04月01日号

No.078|2014年03月15日号

No.077|2014年03月01日号

No.076|2014年02月15日号

No.075|2014年02月01日号

No.073|2014年01月01日号

No.074|2014年01月15日号

No.072|2013年12月15日号

No.071|2013年12月01日号

No.070|2013年11月15日号

No.069|2013年11月01日号

No.068|2013年10月15日号

No.067|2013年10月01日号

No.066|2013年09月15日号

No.065|2013年09月01日号

No.064|2013年08月15日号

No.063|2013年08月01日号

No.062|2013年07月15日号

No.061|2013年07月01日号

No.060|2013年06月15日号

No.059|2013年06月01日号

No.058|2013年05月15日号

No.057|2013年05月01日号

No.056|2013年04月15日号

No.055|2013年04月01日号

No.054|2013年03月15日号

No.053|2013年03月01日号

No.052|2013年02月15日号

No.051|2013年02月01日号

No.050|2013年01月15日号

No.049|2013年01月01日号

No.048|2012年12月15日号

No.047|2012年12月01日号

No.046|2012年11月15日号

No.045|2012年11月01日号

No.044|2012年10月15日号

No.043|2012年10月01日号

No.042|2012年09月15日号

No.041|2012年09月01日号

No.040|2012年08月15日号

No.039|2012年08月01日号

No.038|2012年07月15日号

No.037|2012年07月01日号

No.036|2012年06月15日号

No.035|2012年06月01日号

No.034|2012年05月15日号

No.033|2012年05月01日号

No.032|2012年04月15日号

No.031|2012年04月01日号

No.030|2012年03月15日号

No.029|2012年03月01日号

No.028|2012年02月15日号

No.027|2012年02月01日号

No.026|2012年01月15日号

No.025|2012年01月01日号

No.024|2011年12月15日号

No.023|2011年12月01日号

No.022|2011年11月15日号

No.021|2011年11月01日号

No.020|2011年10月16日号

No.019|2011年10月01日号

No.018|2011年09月15日号

No.017|2011年09月01日号

No.016|2011年08月15日号

No.015|2011年08月01日号

No.014|2011年07月15日号

No.013|2011年07月01日号

No.012|2011年06月15日号

No.011|2011年06月01日号

No.010|2011年05月15日号

No.009|2011年05月01日号

No.008|2011年04月15日号

No.007|2011年04月01日号

No.006|2011年03月15日号

No.005|2011年03月01日号

No.004|2011年02月15日号

No.003|2011年02月01日号

No.002|2011年01月15日号

No.001|2011年01月01日号

「微笑みの国の詐欺師」の反響

035

日本人は同胞を騙す民族なのか 無知につけこんだ手口

 本紙に連載の「微笑みの国のペテン師」が大きな反響を呼び、タイ国内のみならず日本からも多数の問い合わせを頂いている。文中には登場していない被害者からの質問や、権総社(仮称)以外の、他の業者や自称コンサルタントから同じような被害を被った方の相談、これからタイに進出しようとする日系企業や事業者からの打診等々である。これらによって権総社・小林(仮名)による事案は、氷山のほんの一角に過ぎない、という認識を新たにした。 さらに、タイに限らず、中国、ベトナム、インドネシア、カンボジアなどでも同様の事例が報告されており、中国では「日本人は同胞を騙す民族である」と揶揄する報道もあったと聞く。日本人としては実に悲しい話だが、特に東南アジア諸国において日本人に「同胞を騙す民族」という不名誉なレッテルを貼られているのは事実である。
 今回の事件の背景には、日本企業の海外進出が著しく増えたことがある。そしてその多くが非常に安直な発想に基づく、安易な海外進出である。高級ホテルに宿泊して、美しいゴルフ場でプレーをして、丁寧なマッサージをするスパでリラックスできて、タイはいい国だと思うのは、事業を行おうとする人間として不合格と言わざるを得ない。それでも、無計画に、いきなり外国にやってきて海外旅行感覚で事業をしようとする起業者が後をたたない。
 そして、日本からの進出企業の多くが、日本の成功事例をそのまま無理に導入しようとする日本本社の経営陣と、言葉すら通じず、気候も食事も文化も、考え方もまったく異なる地で事業を任された担当者との間に、「意見の相違」が存在する。
現場の論理や意見を、経営者は必ず理解できるものではないし、むしろ日本の事例と比較する場合、単純に受け入れられないようなことも存在するので、現地担当者の論理や意見に対してむしろ不信感を抱くことも少なくない。また、当地で起業しようとする人たちは、その道には精通していても、法律や会計に疎い場合が多い。
 権総社・小林は、そこにつけ込んだ。彼自身は法律や会計の知識は豊富に持っていた。でなければこれだけの詐欺を働くことはできない。できるだけ本来の業務以外の事を減らしたい人にとって、経理や納税事務、法務などを安心して任せられるコンサルタントは必要不可欠であるし、日本にいる経営者にとっても、現地の担当者以外に相談できる有能なコンサルタントは有難い存在である。
 小林はまさにそのような存在であることを偽装して、膨大な資金をかすめ取ったのだ。
そればかりではない。独立開業しようとする若者や、老後をこの温暖な地で過ごそうとする熟年達も、その無知さゆえに小林のよき餌食となった。しかし、この事件は小林個人のカネに関するだらしなさが招いた結果であり、資金の使途が明らかになったとしても、だましとっては他への支払いに回すという「自転車操業」を続けていた小林に、そして総権社にもはやその弁済能力はないのだ。
 海外進出をしようとする者は、個人であれ法人であれ、まず自らが、日本での成功実績を捨てて、新しく創業するつもりで、少なくともその国の法律や制度などに関する基本的な知識を得ておかないと、事業を開始するまでにムダな費用とムダな時間を費やし、さらに日本にいる経営トップの無知と無理解に振り回されて、膨大な労力を費やす割には前進がない
ばかりか、小林のような人間につけ込まれるという結果が待っているのではないだろうか。
「無知と無理解」これがなくならない限り、日本人に貼られた不名誉なレッテルははがれない。第二、第三の小林が現れている原因はそこにあるのではないだろうか。  (衣川龍泉&編集部)