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最悪のシナリオ・第三次世界大戦

099

欺瞞「表現と報道の自由」イスラムへの不当な挑発

 新年明け、世界を震撼させたパリ銃撃テロ事件の後、フランス全土で370万人が参加したとされる大規模デモをはじめ、『表現の自由、報道の自由』を求める運動が世界中に広がっている。イスラム過激派の襲撃で12名を殺害されたフランスのメディア「シャルリー・エブド」は、風刺画が売り物のタブロイド週刊紙である。45年前には「アラキリ(日本語で切腹の意味)」という紙名で、当時のドゴール大統領死去をあざける表現を行って発行禁止になり、現在の名前に変えて復刊した経緯がある。以来、今日までイスラムを執拗にターゲットとして過激な風刺画を掲載し続けた事でイスラム教徒の反発を買い、4年前には火炎瓶を投げられて編集部が全焼しながらも、編集方針は変えないとして今回の事件に至り、編集長を含めイスラムを揶揄した5人の風刺画家も殺害された。
 テロは異常な蛮行であり、容認できるものではない。受けた側としては決して許せざる行為として糾弾すべきである。しかしそれを、『表現の自由、報道の自由』に置き換えるのはどうなのだろうか。「シャルリ・エブド」の事件後に発刊した表紙には、「すべては許される」の見出しと共に、イスラム教の預言者・ムハンマドの風刺画を再び掲載している。報道と自由の大義だと言っている。なんという傲慢。風刺画ならば許されるのか?イスラム教は人や動植物を絵に描くことは、神が創造したものを模倣する行為として禁じており、人を笑いものにする風刺画文化は持たない。ある意味では非常に敬虔な宗教徒といえる。宗教とは、その国の文化であり、教義は国民の生活に深く根付く。生きる根幹だと云っても良い。日本人が冠婚葬祭をどんな形で行おうとも根底にあるのは「神道」であり、その教義は万物自然にあるので気が付かないだけだ。しかし、外国の宗教、特にキリスト教やイスラム教は毅然とした独自の教義を持つ。日本人には非常識と映ることが常識であることが多い。国が違えば生き方も考え方も違うのだ。
 そこを今回のフランスや、世界中の作家や漫画家は見落としている。あるいはわきまえていない。動揺して極めて感情が先走りし、社会の在り方について考えを巡らす事をしない。テロは断じて正当化できないが、『表現の自由、報道の自由』を大義にすり替えて叫ぶ事も、社会の構造的問題を顧みない愚行ではないか。つまり、自由を主張するのなら、相手の立場も考えよ、ということである。フランスの週刊紙はこれまで再三にわたってイスラム教徒から反感を買っていたが、それを意に介せず、さらに繰り返していた。国も宗教も考え方も違う相手を一方的に嘲笑し、侮辱し続けた。現在のヨーロッパ諸国は、移民や宗教による対立、分裂といった大きな問題を抱えている。かつてのフランスは自由国家という信条の元に、国内はもとよりイスラムへの中傷表現を固く禁じてきたが、EUの発足によって加盟28ヶ国と歩調を合わせざるを得なくなった。今回の事件にはそこも大きく関係している。つまり、白人社会による露骨な人種差別が今も根付いたままなのだ。移民の子を追い込む政治と国民社会。現在、フランスは中東で戦争状態にある。イラクに爆撃機を出動させ、イスラム過激派を空爆している事実をフランス国民は意識していないではないか。
 イスラム教の大国のひとつエジプトは「預言者を敬愛するイスラム教徒に対する不当な挑発であり、新たな憎悪を引き起こしかねない」と非難し、イスラム教の最高権威機関は「侮辱に対しては反応せず、無視することが望ましい。もし反応するなら、攻撃という方法を取るべきではない」と自制を呼びかけ、テロを否定している。極めて冷静に対応しようとしているのだ。過激派ばかりがイスラム教徒ではない。世界中で15億人のイスラム教徒に対する「不当な挑発」は最悪のシナリオとなる危険性がある。白人国家の傲慢性は過去に
 多大なる災厄を世界にもたらした。戦争は「戦争をしたい側」によって引き起こされる。第一次大戦は、民族主義者の青年による1発の銃弾が発端となったではないか。悪意ある侮辱で蓄積されていた怒りは世界を変えるのだ。既に導火線は燃え盛っており、米国とロシア、中国だけでは火を消せない。決して大袈裟事では済まないのだ。

(由旬)