Vol,14

 友人が日本のオリコン上位100曲のファイルを持って来たので「違法でしょ?」と思いながらも聞いてみました。ところが10曲目あたりで苦痛になって止めました。
 これでも音楽なんでしょうか、という思いからです。特にロックの分野は電気処理によって誰でも簡単に恰好だけは付けられるようになり、調弦も器械の針の触れで合わせることができます。絶対音感は昔の話で、経験を必要としない今の音楽は素人文化に成り下がってしまった気がします。納得のいくまで70テイクも録った時代の音楽には主張があり、説得力すらありました。現在にいたっては、メールで書き散らかしたような拙い歌詞。もはや旋律とはいえない、音符の無機質な上がり下がりの乱発。そこに喜びを生じる人がいたとしても、作り手の確固たる主張が見えてこない以上は粗製乱造といわれても仕方がないでしょう。
 どこかで一方的に決められたもの=みんなが聴いているとされるもの。今はそこに集中してしまうから、チャートの上位にあるものが良い音楽とは限らないのです。音楽に対して文化を意識するという「価値」を求める人が出にくくなっている現状、商売の嗅覚ばかりが先走りして音楽市場の中には啓蒙の意図は既に見られないのが今のJポップスだと思うのです。
 タレントのファン感謝デーの会場にあるゴミ箱に新品のCDが沢山、捨てられていたそうです。目的はCDに付いている限定品のグッズだったという訳ですが、日本の音楽の現状を象徴する悲しい出来事だと思わざるを得ません。