Vol,17

 休日にTVのスペシャルドラマを観ました。日本の家電メーカーが中国製品に押されて市場を奪われていき、既に開発が済んでいたものの、ある事情によって生産を保留していた製品に社運を託すが、開発者の一人が中国のメーカーに引き抜かれて、その製品を中国側が製造販売する話です。人件費の安い中国へ生産拠点をシフトするのは今に始まったことではありませんが、家電メーカーに限らず、多くの製品に「Made in China」の文字が見られる現在です。
 ドラマでは、中国企業で生産された製品は他の日本企業と多額な契約を結ぶことになりますが、不良品も生み出します。中国メーカーの社長は「大量に生産されるわけだから不良品もあって当然だ」と言います。ところが、引き抜かれて工場長になっていた日本人技術者は「不良品があってはならない、品質は企業の命である」と反発し、中国メーカーが欠陥品と知っていながら販売した事を告発します。
 これが「メイド・イン・ジャパン」の真髄です。戦後、日本の工業力は飛躍的に発展し、品質の良さと使い易さ、優れた耐久力を持った、日本人の心で作られた製品は世界を席巻し、「Made in Japan」は信頼の証となりました。
 他社との競合を理由に目先のコストダウンに走り、『安かろう・悪かろう』の製品を送り出す現在の日本企業。その消費者不在の生産倫理には、かつての誇りが見当たりません。千円以下のジーンズに飛びつく消費者。以前の七千円のジーンズは10年間使えました。「安物買いの銭失い」とはよく使われた言葉ですが、安物で溢れかえっている現在の世の中に必要なのは「メイド・イン・ジャパン」の心ではないでしょうか。