Vol31

 世紀の大発見!から一転して盗用・捏造が発覚したSTAP細胞論文。30代の若手女性研究員の成果として、当初は喝采を浴びていましたが、英ネイチャー誌に発表された論文に、全く別のデータ画像が複写されているのをはじめ、複数の不正が発覚。さらに、他人の文章の盗用が全体の2割も占めていたことが解り、大問題になっています。日本の研究者の信用を失墜させるばかりか、日本の国そのものの信用問題です。
 新聞の一面を賑わせた論文発表時、女性研究者の写真の背景に垣間見えた、研究室の壁にベタベタと貼ってある某キャラクターに「最近の若者はストイックに研究没頭するのではなく、こういった柔軟性も持ち合わせているんだな」と思いましたが、漂っていた違和感、その本質がこれだったのです。忙しい人が原稿を書けない時に誰かが代筆するのはよくあることです。それは日本社会の現実ともいえますが、問題は虚偽表示の常態化です。
 その若手女性研究員はこう言いました。「いけないことをやっているという認識はなかった」 なぜか、この部分はTVで二度と流されませんでした。それほどの問題発言だったのです。いけないことを、いけないこととして感じない人。醜さの極まりです。
 虚偽の常態化といえば、以前に本稿で登場した、某女性店主の「私は日本で10年、長く出版業界にいたので、食べた事がないものを美味しいと記事を書く事が多くありましたから」という言葉が波紋を呼んだことがありました。たった10年の経験で虚偽記事を書くことを正当化しようとした妄言です。今日ではその店の不評(料理が不味い、偏向した接客)ばかりが私の耳に入って来ますが、当然なことかもしれません。
 過去にイージーな嘘が通ってしまい、味をしめて人間として腐ってしまった、という部分については渦中の女性研究者も共通する部分があるような気がします。ネットバブルの頃も、こういう腐った若者がたくさんいました。恵まれていたことが仇になったのかもしれませんが、研究者はファクトで、料理店は顔出しよりも料理の研鑽が、何よりも信用に繋がることではないのでしょうか。