Vol,35

 先日、スクムビットのとある居酒屋へお客さんに呼ばれて行って来ました。タイの政情不安にも関わらず、店内は繁盛しており、隣のテーブルには恐らく日系企業の社員グループとおぼしき男性たちが楽しそうに食事し、歓談していました。
「若い人は元気が良くていいなあ」と、自分の昔を振り返りつつ、こちらも商談を兼ねてですが、ビールで乾杯しました。
 すると隣のテーブルから「ウワァァァァー!」と叫び声が。悲鳴ではなくて絶叫です。何事かと店内のお客さん全員が注目しました。見れば壁に体長3cmくらいのゴキブリがササッと動いて上のほうへ消えて行きました。絶叫した若い男性は「ああー、死ぬかと思った」と、胸をなでおろして再び「イッキ!イッキ!」と始めました。
 ゴキブリは確かに気持ちの良いものではありません。非衛生的なうえに、あの触角の動きに嫌悪感を示すのは当然だと思います。しかし、ゴキブリが現れただけで人は死なない。ましてや女子供ならともかく、大のオトナが絶叫して「死ぬかと思った」というのはどんなものでしょう。こんな男を好きになって結婚する女性はどんな人なのかと、つい考えてしまいました。今どき「イッキ!イッキ!」も、彼らの言葉であらわせば『超ダサッ』です。だからカタカナで書くわけです。日本の衆議院で国民投票法の改正案が可決され、4年以内に投票年齢が現在の「20歳以上」から「18歳以上」に変更される見通しとなりました。つまり、オトナは18歳から、ということです。
 他のお客さんが大勢いる店内で大声を張り上げて「イッキ」を連発し、ゴキブリが出てくれば悲鳴をあげて逃げまどう彼らは、どうみても平均年齢30代前半の大人の男たちでした。オトナになる年齢を逆に引き上げてみたらどうでしょうか、と思わざるを得ません。