Vol,39-(No.87)

 前々号と前号で二回にわたりトップ面で扱った『キラキラ・ネーム』が大きな反響を呼んでしまった。こんな名前を本当に子供に付けているのか疑わしいという声もあったが、日本のメディアでも取り上げられるようになった由々しき社会問題のひとつでもある。取材した中でも信じられない事実がいくつもあった。病院で「鈴木太郎さん、検査室へお願いします」とアナウンスした。すると、母親が「うちの子供の名前は鈴木レイラよ!バカにしているの?」と、くってかかってきた。どう見てもタロウと読むしかないだろうし、それが一般常識である。役所に勤める友人に、なぜこんな名前を受理するのか訊いたら、窓口で却下しようとしたら「人権無視だ!」と騒ぎだすので認めざるを得ないそうだ。ただし、『水子』という名前を届けに来た親に「この漢字の意味は、死んでしまった子に付ける戒名の位号ですよ」と、窓口の職員が説明したところ、それを知らなかった親が大変驚いたそうである。親としては「みずみずしい子になってほしい」という願望で考えた名前で他意は無かったそうだ。
 珍名奇名がはびこる元凶は何なのか。ひとことで言えば、育児雑誌が出版している名付け字典である。ここには信じられない奇名がずらりと並んでいる。その出版元とは、現在、2000万件以上の顧客情報を流出し、世間を騒がせている某教育関連会社である。子供たちの情報を名簿業者へ売り渡した罪が問われている。子供を商品として、物としてしか見ていないから、変な名前を羅列した本を出版する。昨年度のブラック企業のワースト3に名を連ねたのもこの会社である。更には韓国系の資本で運営されている。「言わずもがな」とはこの事である。親の責任だけとはいえない。
 「子」の付く名前は明治以降に大流行し、終戦後から徐々に減って行った。「子」の意味とは、一から了(終わり)までを指す。「幸子」は、一から了まで幸せということである。実に美しい名前ではないだろうか。また、「子」には「姫」の意味もあることを知って頂ければ、珍名奇名も少しは減るだろうと、淡い期待を抱くのである。