Vol,7

 映画館で映画が終わると、END表示の次に監督や製作、出演者、映画で使用された音楽などのエンドロールが出ます。しかし、多くの観客が照明も灯く前から暗いのに席を立って帰って行くようになったのはいつの頃からなんでしょう。タイの映画館では本編終了と同時に照明が点いて、係員が「終わりましたので出て下さい」と急かす。映画によってはスタッフロールの後に本編の続きがあったりするのに、観客は我先にと出口へ向かいます。
 いい映画を観たあとの余韻は、更にその映画を観てよかったと思わせる。その余韻にひたる時間も惜しんで先を急ぐのは何故なんでしょう。入れ替え制になって、次の上映までに客席を早く点検しなければならないから?
 エンドロールを見ながら余韻に浸り、名前を思い出せなかった俳優を確認して、音楽や技術が誰なのか知る。そして、改めて映画の完成度が高かった理由も解る。
 映画館の良さというのは銀幕の適度な暗さと、その余韻にあるような気がするのですが、エンドロールで感動をかみしめていた私の前席の人達が立ったまま帰り支度をしていたので「済みません、見えないんですが・・」と言ったら
「もう終わってんじゃないか!」と怒られてしまいました。 でも、まだ映画は終わっていないんです。
 こんなに無闇に先を急ぐようになってしまったのは何故なんでしょう。思えば、「○○制作委員会」などと、大学の学園祭のようなクレジットが入るようになってから映画の価値が下がっていったような気がするのですが…。