写真で見るタイの歴史

Vol,89 白象
白象
昔から、白い動物は希少性や見た目の美しさと神秘性から神の使いや吉凶の前ぶれなどとして崇め畏れられ、信仰の対象にもなってきた。厳密には、突然変異で生じた白い個体の「白変種」と、先天的にメラニンが欠乏する遺伝子疾患の「アルビノ」は異なるが、白い動物は珍重される。タイは「シャム」と呼ばれていた頃から有数な象保有国であり、「象省」が国の機関として設けられている。陸上で最大最強の動物といわれる象は非常に優れた知能を持ち、人間の顔や言語の違いも細かく識別する能力があり、特に主人に対する従順さを持ち合わせている。 現在、タイ国内には登録されている象が約4000頭、野生でも同数ほどが生息していると推定されるが、白い象は全く見られなくなったという。写真は今から百年以上遡る1898年、王宮の敷地内を散歩する『白象』である。青年期の雄象は活発に動くため、事故があってはならず象係は命がけだったと伝えられる。
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